ライヴでの機材トラブルを回避しよう〜その原因の多くはプラグ周り


すべてを台無しにする機材トラブル

 ライヴなどで活動を続ける中で発生するともっとも途方に暮れることになるのが音が出ないというトラブルです。

特にその被害がもっとも多いのがエレクトリックギター、ベース、そしてキーボードです。もちろんヴォーカルマイクやドラムでもPAの様子がおかしいととても大変な状況に追い込まれますが、なんとかステージを続けることは可能です。

しかし、先にあげた楽器たちは非常に困難な状況に追い込まれることは間違いありません。

私自身はギターを弾きますが、機材でのトラブルで音がでないという場合、冷静に問題のポイントをライブ中に探しだして、正確な対処をすることは難しいことと感じています。

以前参加していたバンドでライブハウスでに常設のアンプを借りた時に問題が起こったことがありました。途中からボリュームが不安定に感じ、その後は全く音が出なくなってしまったのです。その時にさっと別のアンプに変えるという判断ができれば良かったのですが、壊れているアンプをなんとかしようとしてなんともできないという状態になったことがあります。

完全に冷静な判断を失わせてしまうのがライヴ中の機材トラブルといえます。

機材トラブルの多くはシールドで起こっている

その時に一番最初に疑われたのはシールドです。

ある調査では音が出ないなどのこうしたトラブルの8割はシールドケーブルによるものだというものもあります。

もちろん楽器、アンプ、エフェクターなどトラブルが発生する可能性のある場所は複数あります。

その中でケーブルは可動域も多く、保護もされにくい部分です。抜き差しするなど変化も多いので、どうしてもトラブルを生みやすくなるのは仕方がありません。

ケーブルの故障箇所としては大きく2点に分かれます。

一つはプラグの軸部の折れによる破損です。これは構造上、たとえばエフェクターに接続中に間違ってプラグの部分を踏んでしまったりして起こることがあります。これは決して操作ミスなどということではなく、ちょっとふらついた、見えてなかったなど、ライブ中の暗いステージでは意外に起こるトラブルです。

時には他のプレイヤーがひきづってきたケーブルなどでエフェクトボードの場所がかわってしまい起こる、ステージパフォーマンスで動いた他のプレイヤーなどが踏んでしまったという場面も少なくありません。

広いステージならあまり起こりませんが、演奏するステージが狭いことも少なくありません。

もう一つは無理な角度で引っ張ることによる接触部の断線です。これは外見上はまったく問題がないのに音がでない状態になります。これはうまく共晶化して接着した上手なハンダづけがされていても発生する可能性があります。

また、使用の環境やハンダづけ時のヤニによって、金属部の酸化が進み脆くなってしまうこともあります。もちろんプラグそのものの品質で、たとえば接触部の金属が柔らかすぎたり薄いなどで動きやすいといったことも関係します(この場合は”破損しやすいプラグが原因です)。

ケーブルはシースと呼ばれるゴムの内側に幾つかの線が重構造になって入っていますがそれぞれの構造物が接着されているわけではないので、中で動きます。

また温度変化による収縮率も異なるため、外見上は問題がなくても芯線のハンダ部には大きな力がかかってしまうということも起こり得ます。あまり曲げすぎると断線するというようなこともありますし、角度が大きくなりすぎると抵抗値が大きくなって接触不良となることも少なくありません。

プラグ周りの強化の重要度は高い

「物理的な接触の一番多い箇所がもっともトラブルが多い箇所になる」ということは誰もが理解できると思います。

シールドケーブルは途中の箇所でトラブルが発生することは少ないです。編み込みより横巻きのほうが弱いなどの意見もあるようですが、中間点で問題が起こることはめったにありません。

それよりはやはり、プラグ周りでの問題発生頻度は比較になりません。たとえばプラグの根本でケーブルの角度がつくと負荷は高くなります。また角を押さえて引っ張る状態になるので、芯線にも負荷がかかります。

アプローチは2〜3cmですがあなどれません。そのうえでプラグのシース部分が柔らかく脆い、プラスを接続する部分が柔らかいプラグはトラブルが多くなります。ですのでプラグを選ぶ場合は、音質だけでなく、強度の問題も重要な条件になります。

最近はSwitchCraftの模倣品が大量に出回っていますが、その偽物プラグを見てみると金属を薄くしたり、混ぜ物をしていたりで柔らかく加工し易いものが多くみられます。「プラグなんてなんでも同じ」と考える人も少なくありませんが決してそんなことはありません。ことトラブルに関しては実はそうも言ってられません。

だから強化することを考えた

そこで、音色のクオリティを維持しながら、どうすればトラブルが少ないのかを考えたのがSSHのケーブル制作です。ハンダ付の精度ももちろん影響しますが、その工夫が重要だと考えています。

この実験は、両端に同じRyenのプラグを同じ要領でハンダづけし、その上で一般的な加工と、SSHでの最終加工を施したものに同じように負荷をかけて、その後の状態を見見てみました。

ケーブル長は2mのものを使い、真ん中の部分をポールに固定して、プラグ側をひっぱっています。

大袈裟な実験設備をもってない(もってるわけない笑)ので、考え出した方法ですが、強度は強いはずと制作していても、実験をしてなかったのでいい勉強になりました。

やる前は最初にケーブルが切れちゃったらとか、両方断線したらとか、全然つまらないものになるケースも予想しましたが、わりと予測通りの結果になったので一安心です(笑)。

関係ありませんが大人が全力で5分ぐらい引っ張ってもケーブル自体は問題はありませんでした。Canare GS-6は強い!!!

ちなみに人力で5分も引っ張るのはけっこう大変で、疲労困憊しました、、、、、

ケーブルを長く使って欲しい

ハンダに関しても、SSH自体は独自の考え方に基づいた制作を採用している部分もあります。

ソルダーレスについての意見もよく聞きます。あれははっきりいって便利です。
ただ、トラブルには弱くなるのではないかと思います。また、そのままの状態というのは酸化するという問題も孕んでいるので、どうしても寿命の問題が出てきます。ハンダには接続部をしっかりと密封するという意味もあるのではないかと思うと少し考えさせられます。

そして「シールドは消耗品」という時代はいずれ終焉を迎えるでしょう。気に入ったものをギターや機材に合わせて選び、長く使ってください。

また、“長く使える、お気に入りを選べる、安心できる”といったことをトータルしてサポートしていくのが私たちの使命です。

シールドが原因の機材トラブルに悩んでいる方はお気軽にご相談ください。安定感とクオリティを担保したケーブルをSSHではあなたのためにご用意します。